当日と船のこと
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海洋散骨の船酔い対策。座る場所・前日の過ごし方・薬

海洋散骨の船酔い対策 座る場所・前日の過ごし方・薬
海のみおくり 運営者
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海洋散骨の船酔い対策は、「揺れの小さい場所に座る」「前日によく眠る」「軽く食べてから乗る」「酔い止めは乗る前に飲む」の4つが基本です。船の上でいちばん揺れるのは船首(へさき)で、船の中央付近のほうが楽に過ごせます。散骨の船に乗る時間は1〜2時間ほどの例が多く、事前に準備をしておくと、船酔いのリスクを減らしやすくなります。それでも不安が大きい方は、乗船しない代行散骨という選択肢もあります。

私は関西・瀬戸内で自分の船(プレジャーボート)を出している船のオーナーです。散骨事業者ではなく、散骨に立ち会った経験もありません。この記事では、ふだん船に乗っている立場からの実感と、業者や製薬会社などが公開している一般的な情報を分けて紹介します。

散骨の船で酔いやすい場面

散骨に使われる船は、フェリーのような大型船ではなく、クルーザーなどの小型から中型の船が中心です。小さな船ほど波の影響を受けやすく、揺れも大きくなります。

乗船時間の例としては、シーセレモニーが東京エリアで約90分、横浜・湘南エリアで約60分、ブルーオーシャンセレモニーが出航から帰港まで約1〜2時間と案内しています。長い船旅ではありませんが、船に慣れない方には短くない時間です。

船が止まっているときも揺れる

意外に思われるかもしれませんが、船は走っているときより、止まっているときのほうが揺れを感じやすいことがあります。走っている船は波を切って進みますが、止まると波に合わせて左右にゆらゆらと揺すられるからです。ブルーオーシャンセレモニーの案内でも、散骨ポイントでは「船は止まると揺れます」と注意をうながしています。

散骨や献花、黙とうは、船を止めた状態で行います。気分が悪くなりやすいのは、この時間かもしれません。当日の流れは「船上で遺族がやること・やらなくていいこと」で紹介しています。

座る場所で揺れ方はかなり違う

船酔い対策で、いちばん手軽で効果を感じやすいのが座る場所です。

私の実感では、船首(へさき)は上下の揺れ幅が大きく、酔いやすい場所です。波を越えるたびに持ち上げられては落ちるので、体がふわっと浮く感覚が何度も続きます。船の中心付近、操船する場所の近くのほうが、まだ揺れはましです。

乗り物酔い薬を販売するエスエス製薬の解説でも、船では「船の中央など、揺れの小さい席に座る」ことがすすめられています。

  • 避けたい場所:船首(へさき)。景色はよく見えますが、上下の揺れがいちばん大きい
  • 向いている場所:船の中央付近、操船する場所の近く
  • 座り方:背もたれに体をあずけ、姿勢を楽にする

船酔いが心配な方は、乗船したときにスタッフへ「酔いやすいので揺れの少ない席に座りたい」と伝えておくとよいでしょう。船によって構造が違うので、どこが揺れにくいかは、その船を知っている船長やスタッフに聞くのが確実です。

見る場所は遠くの水平線

エスエス製薬の解説では、波ではなく遠くを眺める、島や水平線など動かないものを見る、ともすすめられています。日本OTC医薬品協会も、ときどき遠くの景色を眺めたり、おしゃべりで気分をまぎらわせたりすることを挙げています。

反対に、船の中でスマートフォンの画面や手元の紙をじっと見続けるのは、酔いやすくなるといわれます。お別れの手紙を読む予定がある方は、船が港にいるうちや、帰港してからにするのもひとつの方法です。

前日と当日の朝の過ごし方

船酔いは、乗る前の体調で大きく差が出ます。業者の案内をまとめると、次のようになります。

  • 前日はしっかり眠る(シーセレモニー、ブルーオーシャンセレモニーなど)
  • 前日の深酒や食べ過ぎは控える(清蓮)
  • 当日は空腹のまま乗らず、消化のよいものを軽く食べておく(清蓮、シーセレモニーなど)
  • 乗船中に気分が悪くなったら、無理をせず早めにスタッフに声をかける(清蓮)

ブルーオーシャンセレモニーは「空腹・疲労は船酔いの原因となります」と書いています。葬儀やその後の手続きが続いて、疲れがたまっている方も多いと思います。散骨の前日は、準備を早めに切り上げて休むことを優先してください。

遠方から来る場合は、当日の朝に長時間移動してそのまま乗船するより、前泊して体を休めておくほうが安心です。ただし天候で延期になることもあるので、宿はキャンセルの条件も確認しておきましょう。延期の考え方は「海洋散骨が天候で中止になる基準」にまとめています。

酔い止め薬は「乗る前」に飲む

シーセレモニーのよくある質問では、市販の酔い止め薬を飲んでおくことがすすめられています。ここでは市販薬の一般的な使い方を紹介します。薬の選び方や飲んでよいかどうかは、医師や薬剤師に相談してください。

飲むタイミング

日本OTC医薬品協会は、乗り物酔い薬は乗り物に乗る30〜60分前に予防として飲むもので、酔ってから飲んでも効果はあるが、あらかじめ飲んでおくほうが効果的だと説明しています。たとえばエーザイの「トラベルミン」(大人用)は、予防には乗船の30分前に飲むよう案内されています。集合時間から逆算して、飲む時刻を決めておくとよいでしょう。

飲む前に確認したいこと

  • 眠気が出ることがある。トラベルミン(大人用)の説明書では、服用後に乗り物や機械類の運転をしないよう書かれています。服用後は車を運転しないでください。帰りに運転する予定の人は、運転を代わってもらうか、飲める薬があるか薬剤師に相談してください
  • 持病のある人、治療中の人、ほかの薬を飲んでいる人、妊娠中の人などは、服用前に医師・薬剤師への相談が求められています
  • 年齢によって飲める薬や量が違う。子ども用の薬もあるので、お子さんが乗る場合は薬剤師に相談を
  • 業者からは薬をもらえないことがある。ブルーオーシャンセレモニーは、酔い止め薬をお客様に提供することは禁じられていると案内しています。必ず自分で用意しておきましょう

ふだん飲んでいる薬がある方は、薬局で「船に乗るので酔い止めを飲みたい」とお薬手帳を見せて相談するのが確実です。

揺れの少ない日と船を選ぶ

どれだけ準備をしても、海が荒れていれば酔いやすくなります。私の感覚では、同じ波の高さでも、瀬戸内の波は波長(波の山から次の山までの長さ)が短く、小刻みに突き上げられるような揺れになります。一方で、紀伊水道のように太平洋のうねりが入る海は、波そのものが大きめです。どちらが酔いやすいかは人によりますが、海域と季節で揺れ方が変わることは知っておいてください。詳しくは「海洋散骨に向いている季節」で書いています。

船の大きさも揺れに関わります。一般に、大きい船のほうが揺れは穏やかです。シーセレモニーの案内では、中型以上の船には船室があり、トイレも(一部の船を除き)備えられています。酔いやすい方がいる場合は、船の大きさや船室の有無を相談してみましょう。船の違いは「小型船とクルーザーの違い」で比べています。

船酔いが心配な人の選択肢

乗り物にとても弱い方や、体調に不安のある方は、無理に乗船しなくてもかまいません。

  • 乗船する人を絞る:家族の代表だけが乗り、ほかの人は港で見送る
  • 代行散骨にする:家族は乗船せず、業者に散骨を任せる。みんなの海洋散骨も、乗船が難しい方には代行委託散骨を案内しています
  • 船上で座ったまま参加する:散骨を代表者にお願いし、自分は席から手を合わせる

みんなの海洋散骨のよくある質問では、船酔いによく効く酔い止めをアドバイスするとも書かれています。申し込み前の相談で、船酔いが心配だと正直に伝えてみてください。プランの違いは「個別散骨・合同散骨・代行散骨の違い」で解説しています。

酔ってしまったら

気分が悪くなったら、我慢せずにすぐスタッフへ伝えてください。船の上で、吐き気をこらえながら立ち上がって移動するのは危険です。移動するときは、必ず手すりなどにつかまり続けてください。船の外に顔を出そうとして身を乗り出すのも、転落につながるのでやめましょう。スタッフに声をかけて、席に座ったまま対応してもらうのが安全です。

まとめ

  • 船首は上下の揺れが大きく酔いやすい。船の中央付近、操船する場所の近くに座る
  • 遠くの水平線や島を見る。手元の画面や紙を見続けない
  • 前日はよく眠り、深酒を控える。当日は軽く食べてから乗る
  • 酔い止めは説明書どおり乗る前に(目安は30〜60分前)。眠気や持病との相性は医師・薬剤師に相談する
  • 不安が大きければ、乗船する人を絞る、代行散骨にする方法もある

この記事の「座る場所」や「海ごとの揺れ方」は、私が自分の船に乗って感じていることです。船の構造は船ごとに違うので、当日は船長とスタッフの案内に従ってください。服装や持ち物は「海洋散骨当日の服装と持ち物」で紹介しています。

参考

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